【女性や年配のスタッフには救世主的な感じだった】
「これまで装着型のパワーアシストスーツは使いにくいというイメージがあったのですが、フレアリーを試用してみて一日中付けていられるほど使用感が良かったんです。
これいいね!というみんなの声を受けて採用が決まりました」と、生活相談員の原田崇史さん。
付け方が簡単で、アシストスーツが体の負担にならない。
特に、風呂場で大柄な利用者さんの入浴介助に苦労していた年配のスタッフには「救世主的な感じ」だったという。
介護現場では利用者さんの前で屈んだり立ち上ったりする動作が多く、装着したまま日常的な動作がしやすいことも評価された。
鈴鹿グリーンホームは、1993年に高齢化が進む鈴鹿市西部エリアで特別養護老人ホーム、ショートステイ事業所、デイサービスセンターを開設。
2012年に個室ユニット型にリニューアルし、「気がねなく」「わが家のように暮らせる」をモットーに地域で信頼されてきた。
介護職の人材確保が課題となる中、2016年から介護ロボットを積極的に介護現場に導入し、職員の負担を軽減することで質の高い介護サービスを提供する取り組みを進めている。
「ベッドでのおむつ交換やシーツ交換、移乗介助の時は、ずっと中腰姿勢が続くので腰に負担がかかります。
私は腰痛持ちですが、フレアリーは腰への負担を軽減してくれるので安心して動けます。
60代のパート職員さんはひんぱんに使っていますね」と、スタッフの田中あかりさんは喜ぶ。
すぐに必要でなくとも付けていると安心するという。
【持ち運びしやすいので送迎時の移乗介助にも活用】
最近は、施設内だけでなく、送迎の際にフレアリーを車に乗せて、利用者さんの自宅での移乗介助にも活用している。
送迎時にぎっくり腰になった経験があるという原田さんは、「自宅にはいろんな介助ツールがあるわけではないので、軽くて持ち運びしやすいフレアリーが重宝しています」と話す。
大柄な利用者さんを送迎する場合、男性二人がかりで移乗介護をしているが、「フレアリーを使うと女性の私でもほとんど一人で介助ができます。もう一人は見守り役と車いすの差し替えぐらい。かなり体が楽です」と、田中さん。送迎の際に負担となっていた移乗介助でも利用価値は高いという。
多彩な人材が働く介護現場は、職員の年齢も体格も様々だ。
「年配で小柄な女性はショルダーハーネスが肩からずれやすいので、胸の前で止められるチェストベルトがあればうれしい」と施設のスタッフから要望を受け、メーカーは「チェストベルトの試作品を送ります」と対応。より着用しやすいよう改善を進めている。
腰痛の防止や夜勤者の負担軽減などのために介護ロボットやICT(情報通信技術)を活用する鈴鹿グリーンホームの取り組みは、三重労働局の令和3年度安全衛生に係る優良事業場として「安全衛生努力賞」を受賞した。施設では今後も「働き方を改善して、仕事と家庭の両立を図ることをさらに進めていきたい」としている。