令和3年度予算と連続で
1月28日に成立した令和2年度の補正予算は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止、ポストのコロナに向けた経済構造の転換、好循環の実現が柱です。
その一環で、介護ロボット導入支援の拡充も盛り込まれています。新型コロナへの対応で、職員の業務負担が増える中、引き続きテクノロジーの活用を推進し、負担軽減や業務効率化を図る考えです。審議中の令和3年度予算と連続した「15カ月予算」として編成されており、介護ロボットへの補助は来年度も同様の取り扱いとなります。
具体的な内容をみていきましょう。装着型パワーアシストスーツ、非装着型アシストなどの「移乗支援」と「入浴支援」は、補助上限が引き続き100万円となります。
補正予算で拡充されるのは、「見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備」で1事業所あたり上限750万円は変わりませんが、ベッドなどに取り付けたセンサーからの情報を介護記録に連動させるネットワークの構築経費が補助対象に追加されます。また、これまでは、補助率は都道府県の裁量とされていましたが、かかった金額の半分が補助の最低ラインで、都道府県の裁量で上乗せできると明示。「一定の要件」をみたす事業所については、4分の3を最低として、上乗せできるようになります。下限が明記されたことで、補助率をアップさせる都道府県もありそうです。
人員削減目標を設定、複数機器のパッケージ導入を優遇
補助率4分の3以上となる「一定の要件」とは、導入計画書で目標とする人員配置を明確にした上で、見守りセンサーやインカム、介護記録など複数の機器を導入する場合です。テクノロジーにより、業務を効率化した結果、職員の負担軽減が減り、かつ、少ない人員配置ですむようにするのが目標とする姿になります。具体的にどの業務でどれだけマンパワーを減らすかの目標を決めること、単品ではなく、複数の機器のパッケージで導入を検討することになります。補助の具体的な内容や、募集時期は都道府県にお尋ねください。人手が多いほどサービスの質が高いと考えてきた現場は大きな発想の転換を求められることになりますね。厚労省は、労働力の制約がさらに厳しくなること、新型コロナウィルス感染症の流行で「新たな生活様式」が求められていることなどから、介護ロボットの開発・実証・普及事業も引き続き拡充する方針です。