取材

見守りロボット、1人1台時代へ着々と「衣服型」装着ロボの提案もケアテックス東京に介護ロボの最新動向

「おかげさまで売れています」

そう話していたのは、新型コロナウィルス対策としての法人・個人向けPCR検査や抗原検査のキットを販売している企業の担当者だ。抗原検査キットは、安価で結果もその場でわかる。同僚や家族が熱を出してしまった時の安全確認用に職場でまとめ買いも多いという。生活必需品となったマスクをノベルティにというアイデアも今時だ。縁の下の力持ち的な分野である感染予防用品・設備だが、コロナ禍という状況で感心を集めていたのは当然だろう。

一方、変わらずに出展者も多く、来場者も注目していたのは見守りロボット。1月の補正予算から補助金も拡充され、4月からの介護報酬改定では、見守りロボットを導入した場合に夜勤の人数を緩和する措置が拡大され、政策も追い風だ。

新製品の開発ラッシュで、センサーの機能や形状が話題になっていたのがつい数年前だった記憶がある。今回見る限り、ベッドのマットレスの下に置くセンサーがすっかり主流だ。

センシング情報からベッドの上の高齢者の状態を推測し、転倒のリスクを察知して通報。パソコンの画面で、高齢者一人ひとりの状態がアイコンで一覧できる。「どこもうちと似てきましたね」と先行する大手の担当者が苦笑していた。ナースコールや記録システムとの連動や、導入費用の削減など見守りロボットを取り巻く総合力を各社がアピール。「これからの人手不足を考えれば必需品。一過性のブームではない」とあるメーカーのブース担当者。1人1台の定番製品とするべく、しのぎを削り始めているといえそうだ。ただ、「見守り」と呼び方をかえていても監視装置であるのは事実。本当の意味で定番製品となるためには、監視介護の是非や利用にあたって求められる倫理やルールについて社会の側でも議論を深める必要があるだろう。

着る感覚で装着できる介護ロボット トヨタのグループ会社が販売開始

どんなにICT化が進んでも完全に「スマート」にはいかないのが介護現場だ。介護職の肉体的な負担を減らす介護ロボットの新しい提案は少ない。そんな中で、3月から販売を開始したばかりなのがパワーアシストスーツ「J-PAS fleairy(フレアリー)」だ。同時出店していた自立支援トレーニングロボット「J-Walker テクテック」も同時発売したばかり。入り口の前にブースを構えていたところからも意気込みを感じる。

「J-PAS fleairy(フレアリー)」は、シリーズの最新作で介護専用に開発されたもの。リュックのような本体を背中にしょって、ベルクロで本体と膝をつないで装着する。ほとんどが布製で、「衣服型」というのもなるほどだ。背中を曲げたり伸ばしたりする動きにあわせて、背中の幅広のベルトを巻き上げたり、伸ばしたりして、ほどよく腰を支える。動いてみると、背中に高性能なヨーヨーをしょっているようで圧迫感はない。メカニックなロボット感はゼロだが、その分、軽量で、女性にも扱いやすそうだ。本体を取り外して洗えるのも実用的だ。

開発したジェイテクトは、トヨタグループの主要な自動車部品メーカー。フレアリーには、パワステの技術が使われているという。イメージ先行で市場を開拓してきた装着型の介護ロボ。本格的な実用の時代が来るか注目したい。