事業全般

太田浩充

商品として従来の
パワーアシストスーツから
大きく変更した点は、柔らかく、
人にやさしくするということです。

今回のフレアリーの開発経緯はどのようなものでしょうか?

2018年度より販売を開始しているJ-PASシリーズは、主に製造、物流、小売り、建設といった業種をお客様と考えたものでした。一方で、介護関係のお客様から、「介護向けで使うことができないか」といった問い合わせも多数いただいておりましたが、これまでのパワーアシストスーツをそのまま介護施設で使えるのかという疑問もあり、実際に介護施設にお邪魔させていただき、介護士の方々のお仕事を拝見し、ご意見をヒアリングさせていただきました。そこから、腰痛やそれによる離職といった悩みを抱えられていることは製造業等と共通なのですが、介護現場特有の課題があることもわかりました。

介護現場特有の課題とは?
また、それに対してどのような商品にすべきと考えたのでしょうか?

大きな違いはあたりまえですが、介護士の方々の作業の対象がモノではなく人であることです。
したがって、介護される側のことも考えた商品にする必要があります。
介護士の方々は、自分のことよりも介護される方がどう思うか、怪我をしないか、といったことを第一に考えます。我々の商品は、そういった思いに寄り添ったものにしなければいけません。
そこで我々は、商品のコンセプトを「介護する人も、介護される人もみんなが笑顔で日々の生活を送ること」とし、介護する人にも、介護される人にもやさしい商品でありたいと考えました。

商品に織り込んだ具体的な工夫はどのようなことですか?

商品として従来のパワーアシストスーツから大きく変更した点は、柔らかく、人にやさしくするということです。従来のパワーアシストスーツが大きなアシスト力を人に伝えるために硬いフレームを有していたのに対し、
J-PAS fleairyはこれを廃してフレームレスとし、人が触れる可能性がある部分を布にして、固いものを一切なくしました。これにより、介護される方が抱きかかえられた場合等に皮膚があたって怪我をするといったことをなくしています。
また、介護士の方々は、施設の入所者の方々の生活、起床から、トイレ、お風呂、食事、就寝といった中で、施設の中を忙しく歩きまわり、事務仕事もこなしながら、様々な介助作業をされています。
したがってパワーアシストスーツは、人のこれまでの作業を邪魔せず、簡単に装着でき、軽く、動きやすいものにする必要がありました。上で述べたフレームレスという考え方は、このようなニーズに対しても有効でした。フレームをなくすことで重さは大幅に軽くなり、本体重量は、約1.6kgと電動アシストタイプでは最軽量クラスとなりました。実際に背負ってみるとわかりますが、重さはほとんど気になりません。また、フレームが無いことから、体の周りに邪魔なものが無く、動きやすく、作業や歩行を従来と同じようにすることができます。装着も簡単で、時間は約20秒と短くなっています。

フレアリーの由来、そこに込めた想いについて聞かせてください。

J-PAS fleairyのfleairyという名前は、柔らかい「flexible」と、軽い「airy」、を合わせた造語ですが、人と人との「ふれあい」といった意味も込めています。介護施設の多くの方々に使っていただき、皆様が活き活きと笑顔で働き続けられることに貢献できればと考えています。