介護福祉

介護付き有料老人ホーム

博愛ナーシングヴィラ

実際に使うとかなり体が楽なので、
できるだけ積極的に使っていこうと
意識が変わりました。

愛知県刈谷市にある介護付き有料老人ホーム「博愛ナーシングヴィラ」様に衣服型のパワーアシストスーツ「J-PAS fleairy(フレアリー)」を各フロアに1台、合計3台導入していただきましたので、インタビューさせていただきました。

介護付き有料老人ホーム「博愛ナーシングヴィラ」様の外観

インタビューさせていただいた皆様
重田順子様(健康管理室主任・看護師)
岡本拓也様(介護福祉士)
都築絵里様(介護福祉士)
大山龍治様(業務部)

現在のお仕事について教えてください。

重田
看護師として入居者様の健康管理やお薬の管理などをしているほか、おむつ交換や移乗などの介護業務も行っています。

岡本
介護士として介護業務を担当し、起床介助や朝昼晩の食事介助、排泄介助、入浴介助を中心に行っています。

都築
岡本さんと同じ業務です。

大山
事務方として福祉機器の導入にも関わっています。フレアリーは施設に初めて取り入れた介護ロボットになります。

-フレアリーを導入する前に抱えていた課題、選定に至る経緯を教えてください。

重田
私は持病の腰痛ヘルニアがあるので、あまり無理をしないように職場ではソフトコルセットをつけて仕事をしていました。起床の移乗介助は決まった時間に行いますが、短時間に終えなければならないので特に腰が痛くなるんですよね。

腰痛は自分にとっても職場にとっても永遠の課題です。腰痛がもとで退職される方も過去にいました。介護職は人手不足の状況ですから、離職率を下げるために積極的に腰痛予防に取り組んでいます。その中でジェイテクトが今年開発したフレアリーが良い製品で職員のためになるのではと判断していただき導入が決まりました。


岡本
私は介護士になって2年ほどなのでまだ腰痛はありませんが、周りには腰痛を抱えている人が多いです。毎朝、起床介助の時は30分から1時間の短い間に一斉に入居者様を起こしたり、ベッドから車いすに移乗したりするので大変です。入居者様の体格が職員より大きかったり、周りの状況やスペースが十分でない場合は、真っすぐにきちんとした移乗方法で介助することができなくて腰に負担がかかってしまうことがあるんです。無理をすると腰に違和感を感じることも時々あります。今はまだ違和感がある程度ですが、負担が蓄積されるといずれ慢性的な腰痛になるのでは、と不安に思っていました。

お試しいただいています。

都築
介護はいろいろな状況に対応しなければなりません。車いすでも肘が跳ね上げ式ですと移乗介助がしやすいのですが、そうでない場合は入居者様が座りやすいように体をずらしてあげないといけないので介助する側に無理な負担がかかります。
排泄介助では、介助しやすいようにベッドの高さを上げ下げして腰痛を予防するのですが、忙しくてできなかったり、時間短縮で高さを調整しないままやってしまうこともあります。それらは入居者様に影響するものではありませんが、介助する側の体には負荷がかかってきます。そういうことが重なって腰痛が出ている方がいると思います。

大山
福祉機器の展示会でいろいろな最新の介護ロボットを見てきましたが、一般的にアシストスーツは重くて装着するだけで大変なものが多い。それらとは違いフレアリーは軽くて装着しやすいのが決め手となり導入しました。また、これまで施設では利用者さんを移乗介助する際、スライディングボードやシートを使っていましたが、ベッドからストレッチャーに移す時にしか使えないのでこれらは汎用性が低い。それに対し、フレアリーはベッド周りの介護や移乗介助などで幅広く活用できると思ったのも導入した理由の一つです。

ジェイテクト製品をどのようにお使いになり、どのような効果を得られていますか。

お試しいただいています。

重田
初めは正直、これを付けて介護をするの?という思いが大きかったです。でもフレアリーを日常的に使い始めて印象は大きく変わりました。以前は体重の重い入居者様を一人で車いすに移乗介助しようとすると、力が弱いのでうまく抱えられず車いすの半分ぐらいしかお尻を乗せられないことがありましたが、フレアリーを付けると大柄な方を抱きかかえても踏ん張れるのでスムーズに介助できます。フレアリーに慣れるにつれて、装着した方が介助が楽になったと感じます。

今は起床介助のおむつ交換や移乗介助の時によくフレアリーを使います。先ほど岡本さんがお話したようにスペースがなくて斜め方向に入居者様を移乗しなければならない場合でもフレアリーを付けていたら腰が痛くならない。腰痛ヘルニアで足がしびれてくることが全然無くなったんです。フレアリーがあって良かった。コルセットも必要がなくなりました。

介護職も歳を取るにつれて腰や膝がいたんできますから、若いうちから介護ロボットを使って予防しておくといいと思います。


岡本
今施設ではS・M・Lのそれぞれのサイズのベストをつけた3台のフレアリーを、看護に1台、介護の2フロアに1台ずつ配備し、必要に応じて使いたい人が使っています。私の場合、体格の良い人を移乗介助する時に腰がしんどいと感じることが多かったので、そういう時にフレアリーを使うと最も効果を感じます。移乗介助の最中に腰が支えられるので踏ん張りがきいて、移乗した後も以前のような違和感はありません。楽に移乗介助ができるようになりました。

初めの頃は装着するのが多少おっくうでしたが、実際に使うとかなり体が楽なので、できるだけ積極的に使っていこうと意識が変わりました。

ジェイテクト製品およびジェイテクトへのご要望があればお願いいたします。

重田
よりスタイリッシュに、コンパクトになっていけば取り入れたいと思う人がたくさん増えると思います。あとは、洗濯をする時に部分的にパーツの取り外しと付け直しが必要なので、簡略化していただけるとより助かります。

また、少子高齢化が進み、私が高齢者になった時には介護職の人数はさらに減ると予想されています。きちんと介護してもらえるのかどうか。その頃にはロボットに介護される社会が現実になるのではないかと思います。自分の老後も安心して過ごせるようなロボットをジェイテクトに開発していただきたいです。


岡本
もっとコンパクトになると使いやすくなりますね。 また、ジェイテクトにはこれからも介護現場が楽になる、介護の負担が減るものを開発してほしいと期待しています。


都築
最終的には装具のサイズ交換がなくてもみんなが使えるようなものになればいいなと思います。


大山
そうですね。ワンサイズである程度の人が使えたら、各サイズを揃えなくてもいいので理想的です。ジェイテクトには、どんどん改善を加えてより良いものを開発し続けていただきたいと思います。

-皆様、本日は貴重なご意見をありがとうございました。