取材

居室内ではベッド周りで介護。中腰時にもサポートを実感。住宅型有料老人ホーム「天寿」

泉佐野駅から徒歩10分の住宅地にある

大阪府泉佐野市の住宅型有料老人ホーム「天寿」では、2月末からジェイテクトのパワーアシストスーツ「J-PAS fleairy(フレアリー)」を試用している。
「フレームのあるものは、使っていない時に邪魔。コルセットのようなものはすでにみんな着けているので、動力のないタイプはあまり意味がないかなと。いろいろ探して、これならと思いました」。

モーター付きでアシスト力があり、かつ、コンパクトなことが選択のポイントになったと副主任の崎山由樹さんは話す。「天寿」は、先代から地域医療に熱心だった医療法人西田外科が母体となり、9年前に開設した。泉佐野駅から徒歩10分の住宅地の中にあるが、91室の規模がある。24時間看護師を配置し、診療所のドクターと連携し、医療行為の必要ある人の受け入れや、ターミナルケアに積極的に取り組んでいる。中重度者の入居者が多い。

ヘルパーが個室内で介護する

「住宅型」のため、重度の人のケアもヘルパーが個室に訪問し、一人で介護をするスタイルだ。おむつ交換、清拭、着替え、ベッドメークなどなど、ベッドまわりでの介護作業がほとんどで、中腰になることが多い。

ヘルパーが個室内で介護する

「中腰姿勢をとると、お尻がぐっと持ち上がってサポートがあることを実感します。軽いのでスイッチを切って廊下を歩く時もスピーディに歩けるところもいいですね」(崎山さん)

住宅型では、備え付けのベッドは置かない施設も多いが、「天寿」では、職員が前屈みにならないですむように、開設時から高さ調整のできる3モーターの介護ベッドを全室に用意したが、気が急いて低い位置のまま作業している人も多く、パワーアシストスーツは現実的な選択肢だ。今は一台を職員で使いまわし、使い勝手をみているところだ。パワーアシストが敏感に反応して、体をひねりづらいので、メーカーに微調整を依頼し、対応してもらったところだ。

「仕事にやりがいを感じてもらって、おかげさまで職員の定着率は高い。その中で、腰痛で泣く泣くやめていく方が続いたのがとても残念。今後も腰痛対策には力をいれていきたい」と小村光施設長は話している。

小村施設長(右)と崎山副主任