深堀り

介護職の腰の負担対策【4つのポイント】腰痛の原因〜予防すべき理由まで

多くの介護職にとって切っても切り離せられないのが、腰の悩みです。
「介護職の腰痛を予防したい」と思っている方も多いのではないでしょうか?
腰痛予防にはいくつかのポイントがあり、普段から守ることが欠かせません。
今回は介護職の腰痛予防に役立つ4つのポイントについて、腰痛の原因や予防すべき理由などと一緒に解説します。
この記事を読むと、介護職の腰にまつわる悩みを減らすヒントが見つかります。

介護職の腰痛予防|4つのポイント

介護職の腰痛を防ぐための主なポイントは次の4つです。

  • 適度な運動・ストレッチ 
  • ボディメカニクスを意識する    
  • ハード面で負担を軽減する      
  • フォローしあえる環境づくり    

各ポイントの内容を以下で紹介します。

適度な運動・ストレッチ

適度な運動やストレッチは、腰の負担軽減に役立ちます。
介護職は体を動かす機会が多い仕事です。
筋肉や関節が硬いまま体を動かすと、体の各部位に負担がかかり、怪我をするリスクが高くなります。
適度にストレッチを取り入れると肉離れや腱鞘炎といったケガの予防、疲労回復、気持ちのリラックスが期待できるでしょう。
例えば、廊下やフロアの手すりを利用して、下半身のストレッチができます。
片足を背中側に曲げ足首を手で掴むようにして背中に近づけると、太もも前面のストレッチになります。
また片足を後ろに下げ膝を伸ばしたまま体を前に傾けると、ふくらはぎのストレッチになります。
ほかにも、壁に背を向けて立ち、上体をゆっくりひねって壁に両手をつくと太ももの外側・臀部・腹部のストレッチが可能です。
いずれも、息を止めずにゆっくりと吐きながら心地良い程度に伸ばし、伸ばす筋肉を意識するとストレッチの効果を感じやすくなるでしょう。
ストレッチの際は、反動やはずみをつけず、無理に伸ばしすぎないよう注意してください。
その他のストレッチは下記リンク先にイラスト付きで紹介されています。
参考:中央労働災害防止協会『介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ

ボディメカニクスを意識する

ボディメカニクスとは、関節・筋肉・骨が動作する際に生じる力学的関係を利用した介護技術のことです。
最小限の力で介護できるため腰痛を予防し、さらに業務の効率化も期待できます。
ボディメカニクスは以下の8原則により構成されています。

  • 支持基底面を広く確保する
  • 重心を低くする
  • 利用者との重心を近づける
  • 水平移動する
  • てこの原理を活用する
  • 利用者の体を小さくまとめる
  • 自分の身体をねじらない
  • 腰・脚・背中など身体全体を使う

これらの8原則はどれも重要ですが、ボディメカニクスで特に意識すべきは『重心を意識』『てこの原理』『大きな筋肉を使う』という3つのポイントです。

ボディメカニクスの8原則は、介護の有資格者なら一度は学んできたはずの基礎知識ですが、日常的に意識していないと、間違った自己流のやり方に変わっていってしまいます。
新人職員だけでなくベテラン介護職も対象に、定期的にトレーニングする機会を設けましょう。
また全てを介護職が介助せず、利用者にできる部分を任せるのも重要なポイントです。
介護職の負担軽減だけでなく、利用者の自立支援にもつながります。

ハード面で負担を軽減する

職場の設備や環境を整えたり、福祉用具・福祉機器を活用したりと、ハード面の調整で負担を軽減させる方法もあります。
職場内の整理整頓を促して介護しやすい十分なスペースを確保したり、移乗の際には必ずベッドの高さを調整したりといった少しの工夫で、コストをかけずに腰への負担が軽減できます。
またコストはかかりますが、スライドボードや電動リフト、介護ロボットの導入は費用対効果が見込めます。
福祉用具や福祉機器を活用すれば通常より少ない力で介護できるため、腰にかかる負担を大きく軽減できるでしょう。
参考:厚生労働省『介護・看護作業による腰痛を予防しましょう

フォローしあえる環境づくり

職場内でフォローしあえる環境づくりも、大切なポイントです。
腰痛が軽視された職場では「腰が痛いくらいで休めない」と、介護職が無理をしてしまう可能性があります。
無理をした結果、腰の状態が悪化し、休職や退職につながってしまいます。
腰痛があるときには無理せず休めるような雰囲気づくりや、無理のないシフトを組んで日常的に腰の負担を軽くする視点も必要でしょう。
また利用者の体格や介護度に応じて2人で介助するなど、スタッフ同士でフォローしあえる環境にしていくことが大切です。
介護職一人ひとりの健康を守るために、仕事内容や負担を分担していくとよいでしょう。

介護職の腰痛を予防すべき理由

介護職の腰痛を予防すべき理由は、腰痛が介護職の離職につながる可能性があるからです。
厚生労働省による調査では、労働災害全体の中で腰痛の占める割合が最も多いという結果も出ています。
介護の仕事にやりがいを感じていても、腰痛のせいで、やむを得ず離職を考える介護職も少なくありません。
新たな介護職の育成には時間もコストもかかるため、すでに介護職として勤務している職員が快適に勤続できる環境づくりは、今後の必須課題となってくるでしょう。
また腰痛を持った介護職が無理な体勢で利用者を介助した場合、支えきれずに利用者を転倒させてしまうリスクも考えられます。
全ての人にとって安全で快適な職場環境のためにも、腰痛対策は不可欠です。
参考:厚生労働省『社会福祉・介護事業における労働災害の発生状況

介護職の腰痛予防【まとめ】

では、今回のまとめです。
腰痛を抱えている介護職の数は年々増えており、離職や利用者の安全を脅かす原因となりかねません。
そのため、できるだけ早くから予防に取り組む必要があります。
今回紹介した、適度な運動やストレッチの実施、ボディメカニクスの導入、介護ロボットや福祉用具・機器の活用などを通じて、それぞれの職場に合った対策を講じましょう。