開発者

大坪和義

多くの方のおかげで
アシストスーツとしては
高水準の重量と性能が
両立できたと思います。

J-PAS fleairyの開発で苦労した点を教えてください

開発担当として苦労した点はJ-PAS fleairyの重量と、装具と呼んでいるJ-PAS fleairy本体を介助者に装着していただく布製品のデザイン、仕様決めですね。

重量ではどのようなご苦労がありましたか?

重量は軽ければ軽い方がよいです。しかし、あまりに軽くしすぎると強度不足で部品が壊れてしまいます。そのさじ加減が非常に難しく、試作評価では何度も部品を壊しました。部品が壊れるとチーム内は火が付いたように原因究明で喧々諤々の議論が繰り返されます。そんな中、ある人の一言が設計段階で見えていなかった視点で問題解決の突破口になることがよくありました。すべてが設計通りにモノが作れて性能も出ることはなく、評価、製造、仕入先様を含め多くの方のおかげでアシストスーツとしては高水準の重量と性能が両立できたと思います。

装具ではどのようなご苦労がありましたか?

これまでのJ-PASシリーズは、フレームと呼んでいる金属部品を介してアシスト力を装着者に伝達していました。それをJ-PAS fleairyではアシスト力を金属部品を使わず装具と呼んでいる布製品で伝達します。メインターゲットの介護業界にご意見を伺いに行くと、アシストスーツを装着していることで利用者様(被介護者)が驚かれたり、介助されることを嫌がられることがあるとのことで、装具のデザインには非常に気を遣いました。

ジェイテクトさんでは布製品の製造経験はあったのですか?

これまでジェイテクトでは布製品を扱ったことないですね。その点はJ-PAS開発時から非常に苦労をしていました。仕入先様には弊社から仕様書を出して試作していただきました。試作して評価して改良を繰り返すことで完成度を上げていくのですが、以前は問題なかったことが新しいものでは問題になることがよくあり、都度仕入先様に無理なお願いをしていました。そういう意味では仕入先様には感謝です。

デザインについてはいかがですか?

J-PAS fleairyでは介護施設のご意見を伺い、施設の作業時に目立たず、柔らかい印象を持たせることで利用者様に圧迫感を与えないデザインとしました。服飾関連のデザインや縫製についてのノウハウを持つプロ人材にご協力頂きました。装具は一度大きな仕様変更をしました。当初のデザインはJ-PAS fleairy本体を装具に取り付けるのに時間がかかり装具を洗濯するのが面倒というご意見を介護施設の方から頂きました。この時もチーム、プロ人材、仕入先様含め喧々諤々の議論をして現在の仕様に落ち着きました。おかげさまでJ-PAS fleairy本体を装具に取り付ける時間も半減できました。

最後にJ-PAS fleairyの開発を通して一言お願いします。

J-PAS fleairyの開発を通して多くの方と関わることができ多くの学びを得ることができたことが自分として大きな宝となりました。
これまで開発にご協力いただいた方々には感謝してもしきれないです。ありがとうございました。
今後もさらなる改善を繰り返しお客様から指名買い頂けるようチーム一丸となって取り組んでいきたいと思います。