企画・販売

新井智樹

介護関係の研修を受講し
資格を取得するなど、
より介護に携わる方と近い目線で
お話ができるように心がけました。

J-PAS fleairyを商品化するうえで気をつけたことは?

最も気を付けたことは、介護とは生活の一部をお手伝いする仕事だということです。J-PAS fleairyを装着する方の負担を軽減させることが重要なのですが、結果としてそれがそこで生活する利用者様たちの生活の質や自立度を低下させてしまうものであってはならないということです。ですので、J-PAS fleairyを装着する方、装着した介護士に介助される方、双方の目線から現場に受け入れられるものになるように心がけました。

「介護用パワーアシストスーツ」として商品化を進める中で取り組んだことは?

弊社はものづくりの会社ですので、介護のことはあまり詳しくないのが正直なところでした。したがって、近隣の介護施設にお願いして見学や聞き取りをさせてもらうなどするとともに、社員も介護関係の研修を受講し資格を取得するなど、より介護に携わる方と近い目線でお話ができるように心がけました。

J-PAS fleairyを介護業界に広めていくためには?

まずはお客様のニーズにあったものを提供するということが第一だと考えています。ただし、パワーアシストスーツという製品はまだ市場としては発展途上であるため、製品をお客様にご理解していただくことも重要と考えています。
自動車を例にとると、高級セダンを軽自動車並みの価格で購入できればいいのですが、現実はそうはなっていません。軽自動車から高級車、スポーツカーやワゴン車などがあり、目的と予算、機能などから購入する製品を決めると思います。
パワーアシストスーツも同様で、他社様からも様々な製品が出ていますが、そういったものも含めて、お客様自身が予算と用途に合ったものを選べるようになることが重要かなと思います。

お客様が選ぶということですが、J-PAS fleairyのアピールポイントは?

一つは、モーターとセンサーを用いて、装着者の動きに応じたアシストを行うということです。介護作業は腰に負担のかかる作業ばかりではなく、動きやすさも確保する必要がありますので、装着者の動きに応じてアシストが入ったり切れたりする方が適していると思います。
二つ目は、装着者の前面や可動部にフレームなどの硬い部材を用いていないということです。装着者が動きやすいだけでなく、施設のご利用者さまにもやわらかい印象を与え、安心して使ってもらうことができます。
三つ目は、装具を機体と切り離せるところです。機体は共用しつつ、装具は各自のものを準備いただくことにより、装着者各自の体形に合ったものを選んでご利用いただけますし、洗濯も可能になります。

最後に

介護福祉業での腰痛は、これまでも大きな問題となってきました。一方で、対策はあまり進まず、介護士の方に負担がかかっているのが現状です。疲労の蓄積は将来の腰痛発症のリスクを高めます。我々は製品を提供することで、介護従事者の方々はそれを上手く使用することで、一緒に職場での腰痛リスクを低下させることができればと思います。
※新井智樹:スマート介護士Expert(中級)