兼業農家F・Jさんの「おいしいお米をつくりたい」をアシストしています
奈良県で農業に勤しむF・Jさんは、曽祖父からの水田を引き継ぐ兼業農家だ。本業との兼ね合いがあるため、大量に米をつくっているわけではない。ただ量に限りがあるからこそ、味の良い米をつくりたい。そう考えて2021年からコンバインではなく、人手をかけるバインダーでの刈り取り方式に変えた。農作業の負荷を軽減するために導入したのが、J-PAS LUMBUSⅡだ。
-天日干しで味わい深いお米をつくりたい
F・Jさんは昨年まで、稲刈りにコンバインを使っていた。これなら機械が稲を刈ってくれるので、人に負荷はほとんどかからない。コンバインで刈った稲は、基本的に乾燥機にかけられる。ごく一般的なやり方だ。
「ただ、1年に3日ほどしか使わない乾燥機を置いておくのは、どうにももったいない。それに乾燥機を使わず天日干しすれば、お米の味がぐっと深まってよくなると聞きました。手間と時間はかかるものの、せっかくつくるのだからおいしいお米に仕上げたいじゃないですか」
コンバインを使わない、となればバインダーを自分で押して稲刈りする作業となる。バインダーを田んぼまで運んで使うためには、軽トラックに積み下ろしする際に必要な金属製ラダーも持っていかなければならない。ラダーは軽量化されているとはいえ、一人で上げ下げするのは結構な力仕事だ。
「これまで機械に頼っていた稲刈りを、ぬかるんだ田んぼの中バインダーを押して刈るわけです。その結果農作業で疲れてしまい、本業の仕事に差し支えが出るようでは元も子もありません。何か作業補助してくれるツールはないかと探しているときに、ジェイテクトさんのLUMBUSと出会いました」


-お米を楽に、ていねいに持ち運びたい


F・Jさんの水田は6反、ざっと60a(アール=6,000㎡)の広さだ。仮に横幅が100mなら奥行きは60m、決して大きい方ではない。とはいえこれだけの広さの水田をくまなく一人で、バインダーを押して回るとなると、それなりの作業量となる。
さらに収穫が終われば、米の運び出し作業がある。収穫量は約3トン、これを30キロ入りの袋に入れて、軽トラに積み下ろしする。単純計算で30キロの袋を100回持ち上げ、同じ回数だけ下ろす作業となる。意外に負荷のかかる作業が米袋の積み下ろしだ。大切なお米だから、どさっと落としたりせず、そっと置きたい。30キロを持ってゆっくりと腰を下ろす際にも、LUMBUSがしっかりホールドして支えてくれるから、作業はずいぶん楽になるという。
「まだ若いですし、これまでもやってきた作業ですから、これぐらいでへこたれりはしません。けれども、米づくりはこれからもずっと続けていきたいんです。となると蓄積疲労が体に与える影響を考えれば、できるだけ早いうちから作業負荷は減らしておきたい。年をとってから腰痛に悩まされたりしたくないですから」
ー農作業を楽にして、末永く楽しみたい
F・Jさんは、自動車関連の仕事をされている。だからジェイテクトについてもよくご存知で「信頼できるメーカー」と感じていた。とはいえ、パワーアシストスーツは決して安いものではないから、他社製品もいくつか試してみたという。
「ジェイテクトさんのご厚意でLUMBUSⅠをモニター使用させていただき、これは使える、腰が楽になると実感しました。LUMBUSⅡが出ると聞いて、購入を決めたのです」
ポイントは動作補助の確かさと装着感だった。LUMBUSⅡは、動作に応じた2つのモードが用意されている。アシストモードは持ち上げ動作を感知してアシストする。一方ブレーキモードは重量物の持ち下げや中腰での作業をサポートする。だから米袋の積み下ろしを、どちらも確実に補助してくれる。装着感も良かったという。


「試着した感じもLUMBUSが抜き出ていました。普段使い慣れている登山用のリュックとまったく同じ感覚で、違和感など一切なく動きやすい。LUMBUSⅠではやや歩きにくかったのが、Ⅱではまったく気にならないように歩行アシストが改良されているのもうれしかった。あえて注文をつけるなら、トルクが発生するタイミングを腰の動きとより連動させてもらえると、更にアクティブな動きがとれると思います。
まだ試していませんが、スコップを使った水田の溝掘り作業などもきっと楽になると期待しています。先祖から受け継いだ水田を、これからもしっかり守っていきたいですね」