腰痛は、日本の国民病?
腰痛の生涯有病率は、男性で82.4%、女性は84.5%――。こんな調査結果があります。同じ調査では、直近1カ月間での腰痛の有病割合は35.6%
(男性29.2%、女性31.8%)との結果も報告されています(※1)。


そもそも、なぜ人は腰痛になるのでしょうか。腰を痛める原因はさまざまですが、やはり腰に負荷をかけて体を動かすときに、腰痛になるリスクが最も高まるようです。
例えば、荷物の持ち上げやスコップを持って前かがみでの動作を繰り返したとき、あるいは一気に25キロ以上の荷物を持ち上げたときなどに、ギクッとなるケースが多くみられます。一方では少し軽いめとはいえ20キロぐらいの荷物を、日常的に扱い続けたりすると腰痛が慢性化しがちなようです。 つまり重い荷物などを持ち運びしたり、中腰での作業を続けるなど腰に負荷をかける動作をすると、当然ですが腰痛になりやすいのです。そこで腰に負荷をできるだけかけずに作業できるようにして、腰痛になる人を一人でも減らしたい。そんな思いで開発されたのが パワーアシストスーツ「J-PAS LUMBUSⅡ」です。
腰の動きに合わせた理想的なアシスト
いわゆるパワーアシストスーツの多くはその名の通り、人が作業する際に、外から何らかの力を加えてアシストするようにできています。
要するに重いものを持ち上げるときに、マシンに力を貸してもらって体を楽にするイメージです。
ただし、人が腰を痛めるタイミングは、持ち上げ動作のときだけとは限りません。むしろ意外に多いのが、重いものを腰で踏ん張って支えながらゆっくりと下ろすときや、中腰での力仕事を続けるときです。重いものを持ち上げるときは、誰もがたいてい「よっこいしょ」と気合を入れるけれど、持ち下げるときは重さを意識せずに何となく腰をおろしてしまいがちです。あるいは重いものを扱わないからといって、中腰で長く作業し続けてしまい、気がついたときには腰がだるくなっていたなどというケースもよくあります。


これらの腰痛を起こす原因をきめ細かく分析し、より腰の負担を軽くするため「J-PAS LUMBUSⅡ」にはアシストモードとブレーキモードを設定しました。アシストモードは、重量物を持ち上げる体の動きを、センサーが感知してアシストします。一方のブレーキモードでは常に腰をアシストし、荷物の持ち下げや中腰の作業での負荷を軽くします。モードの切替は、腰の横にある手元スイッチを一押しするだけ。アシストする力の調整も簡単にできます。
動きやすさのためのコンパクトサイズ
「J-PAS LUMBUSⅡ」は全幅が440mmと業界最小サイズ(当社調べ)です。コンパクトでありながら、アシスト力は30Nm(※2)と強力です。背中の制御ボックスがスリムだから動きやすく、狭い場所での作業も楽にこなせます。
歩行アシスト機能により、荷物を持って歩くのも楽にできます。大腿部へ装着する脚パッドは大腿の動きに追従する為、動作の制限をしません。また脚パッドにはスライド機構がついており、スライドが脚の動きに順応できる為、屈む作業が楽になります。
日々の作業で使うとなれば、どれだけ簡単に着けたり脱いだりできるかも気になるところ。毎日手軽につかってもらえるよう「J-PAS LUMBUSⅡ」は、次の3ステップで簡単に装着でき、その時間はわずか30秒しか掛かりません。
STEP1:背中にかついだら腰ベルトを止め
STEP2:胸ベルトで体にフィットするよう調節し
STEP3:太ももベルト(脚パッド)を取り付ける
通気性がよいので、暑い夏場でも心地よく作業できます。
制御ボックスは防塵防水性があるので、ほこりの多い野外作業や雨天でも安心して使えます。もちろん汚れたら洗えるので、いつも清潔に使えます。

微かな動きを感知する、世界ナンバーワン技術を応用

ジェイテクトは、世界で初めて電動パワーステアリングの開発・量産に成功した、世界シェアナンバーワンメーカーです。電動パワステで、何より重要なのは、人がハンドルに加える力加減の微妙な変化をきめ細かく察知すること。ハンドルをどのように動かそうとしているのかを、リアルタイムにセンシングして動きをサポートします。自動車を運転しているときに、電動パワステによるアシストを感じる人は、まずいないはず。それぐらい自然なサポート力で、ハンドリングをアシストする。その精緻を極めたセンシング~パワーコントロール技術が「J-PAS LUMBUSⅡ」に活用されています。
腰を痛めるのは、年齢を重ねてからとは限りません。むしろ、働き盛りの間に、ちょっと無理をして痛めた腰の違和感が、歳をとってからも消えない。そんなしつこい腰痛に悩む人も多くいます。
ぜひ、少しでも早いうちから「J-PAS LUMBUSⅡ」を活用し、腰痛の予防に役立ててください。私たちは、日本人の「腰をまもりたい」のです。
※1「日本人勤労者を対象とした腰痛疫学研究」松平浩、磯村達也、岡崎裕司、三好光太、小西宏昭/日職災医誌,63:329─336,2015
※2 Nm:ニュートンメートル 1kgの質量を持つ物体に1m/s²の加速度を生じさせる力